「レンタル彼氏募集」という仕事を見つけ、高額収入が見込めるとのことで応募したのですが実態は「高額搾取の公序良俗反するレベルの違約金請求企業」だったのでその悪質な手口についてまとめました。
アルバイトを始めて1年、ほとんどの業務ができるようになりこれ以上働いても何も成長しないと考えていた頃、何か面白そうなバイトはないかとネットで色々と物色していました。
そして、レンタル彼氏の提携企業を紹介しているサイトにとりあえず応募してみました。翌日案内のメールが届き
「面接を行うので日程を教えてください」ときたので日程を返信し、面接に臨みました。
面接前日、どうやらレンタル彼氏の提携企業と思しきメールから場所の案内が送られてきたのですが。
「西新宿のA1出口についたらご連絡ください」
ときました。
「なんで直接面接場所指定しないんだろう、まぁわかりづらいところにあるのか...」と思いながらA1出口に到着。
着いたという旨の連絡を連絡したところ、数分後に何だか冴えないメガネの女性がやってきてオフィスまで案内されました。
そのオフィスが、近くにある賃貸マンションの部屋でした。
「え、オフィスじゃないの!?」
「これから高額商品でも売り付けられるのかな。。。」
と思いながらも部屋に通されました。
中は1DKですがブースが複数設置されており、最初に玄関入ってすぐの机で履歴書?のような書面を書かされました。
住所、氏名、電話番号、実家の住所などを書きました。
次に証明写真を撮るとのことで、一枚顔写真を撮ってから面接のブースへと案内されました。
待つこと10分キッチンルームと思しき扉から、ヨボヨボのおじいさんがでてきました。
見た目は落ち着いた印象で、腕時計やスマホなどは高そうなものを身につけていました。
「君がやぎさんですね、今日はよろしく」
口調が穏やかであったが、それゆえ何かを隠しているような感じした。
「この仕事には男性と女性を相手にする仕事があります」
え?男同士??と聞く耳を疑いましたが、どうやら2つの働き方があるらしくそれぞれ選べるそうです。
おじいさんは、その業界が長い人らしく創業30年の老舗だと言っていました。
お客さんの中には有名人がいるらしく、主に有名人とその知り合いが利用しているそうで
「うちは長年運営してきたので業界の中で最も信頼があるんだ」
と言っていましたが、後から調べると創立は2006年でした。
平然とした顔で嘘を吐く。人間じゃねぇ。
1時間くらいその業界について説明を受けたのですがどうやらレンタル彼氏はwebのポータルサイトを利用するものらしいです。その後、契約の話になりました。
「今、責任者を読んできますね」
とおじいさんはいったん退席し、別の扉から人相が怖いお兄さんがでてきました。
「え、大丈夫かなこの人?」
会社の名前もその人たちの自己紹介もなしに、契約書面をタブレットで見せられて、規約読もうとしたのですが
「規約は後でメールで送りますので、確認ボタンにチェックしていただいての同意するボタンを押してください」
何も疑わず、ホイホイと指示に従いました。(なんでこのとき拒否していなかったのだろうとあの時の自分をぶん殴ってやりたい気分です)
次に支払いについて聞かれ、口座振り込みかクレジットカード引き落としがあるのでクレジットカードを選びました。
「最後にしたの欄にサインお願いします」
ページの一番したの欄に電子署名をしました。
これで契約が完了して、これからどうなるのだろうとワクワクしていました。
契約完了後におじいさんがまた出てきて、
「売れるためにはプロフィールのクオリティを上げないといけない、そのためにはプロのプロフィール画像が必要だ。」
「うちではオプションでプロフィール撮影も行っていて、プロフィール登録料8万に上乗せで3万でできるんだけどどうかな」
と言われたのですが、スマホで撮影できるし断りました。(よくやった!!)
その日の手続きを終えて賃貸マンションの出口までおじいちゃんが杖をつきながら見送ってくれました。その間おじいちゃんは自撮りするには自撮り棒が必要だ、帰るときに買って行ったほうがいいよ。と何度も念を押されました。
そして次の日、プロフィール設定のURLが送られてきたので何度も推敲しながら無事プロフィールを完成させ、提出しました。
それから2ヶ月後。
全く仕事が入らず、おかしいなと思ったのでlineでおじいちゃんに連絡を入れました。すると
「いつご縁があるかわかりません、続けなければ結果は出てきませんよ」
と最もな返事をされたので、
「そうですよね、結果が出るまで頑張ります!」
と返信。
それから5ヶ月が過ぎても何も音沙汰なしでした。
ポータルサイト利用料で毎月13,000円請求されます。なのに全く利益が上がりません。これでは損するばかりではないかとおじいさんに解約の話をしました。
するとメールで「解約に伴う解約違約金お支払いについてのご案内」
ときたので
「まぁ契約解除に違約金はつきものだよな」
と思いながらメールを読み進めて添付されている請求書を開くとそこには340,000と表示されていました。
3,400円の間違いかと思いましたが明らかにそこには340,000円と明記されていました。
そこに添えられていた文によると
「ポータルサイト利用規約により、24ヶ月契約となっておりましたので第〜条の解約時の違約金についての条項により違約金を期日までに一括でお振込お願いいたします。」
とても払えるわけありません。
「そうだ!クーリングオフ で契約取り消しにすればいける!」
と思いましたが、そんなことあっちは折込済みで利用規約の第一項に
「個人事業主として我々はポータルサイトを提供する」
と書いてありました。
クーリングオフは消費者には適用されますが、個人者間契約には適用されません。よって私は無条件でクーリングオフでの契約解除はできないことがわかりました。
絶望しました。
「13,000円を2年間毎月払うのかよ、仕事こないし全く稼げないのに」
法テラスという法律の専門家がいるサービスに申し込んで、話をしたのですが
「なんとも言えないですね〜」
と全く解決には至らず、ただ5,000円をドブに捨てました。
法テラス。何が専門家だよ!何にもできないじゃないかよ!!
こうなったら自分で法律を勉強して裁判を起こすしかないと思い、六法全書を買い、特定商取引法を全て暗記するくらい読み込みました。
すると今回のパターンはどうやら「業務提供誘引販売」であることがわかりました。
業務提供誘引販売とは、ざっくり説明すると契約者に何かしらの金銭的負担を負担させる代わりに様々なサービス利用権などの様々な物を提供する販売手法です。
この手法で法に触れるところがあったらそこを突いて、解約を申し込むしかないと思っていたのですが、契約書が電子署名であったり、そもそも会社名や担当者の名前も知らないし、事前に解約違約金のことなんて聞いていないし、そもそも解約違約金が公序良俗に反する金額であるし、突っ込みどころは満載でしたが、法律の専門家でもなく、お金もない私は裁判や弁護士を雇うことなどできず、ただ憎しみと詐欺紛いの行為をいている人たちに人生で最大の怒りが湧いてきました。それとともに会社という物がどれほど狡猾かがよくわかりました。
こうして私は詐欺に遭い1年が経とうとしていますが、意味もなく13,000円を払い続ける毎日です。自分で選んだことなので後悔はないですが、怒りと会社への憎しみしか湧きません。
このことから得られた教訓は
- 少しでも怪しいと思ったら絶対にやめろ
- 世の中に本当にうまい話などある訳がない
- 見た目では人はわからない
- 興味本位であれこれ手を出すべきではない
- クレジットカードは悪魔のカード
- 一度契約したら終わり
- 事業者間契約ではクーリングオフできない
です。
自分以外にこんな目に誰もこんな目にあって欲しくない。レンタル彼氏をやろうと考えている人は是非このことについてよく考えて欲しいです。